DCギアドモータ・リニアアクチュエータ・ポンプ・各種ユニットの製造・販売 スリーピース株式会社

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技術情報

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注意事項(リニアアクチュエータ)

1.使用温度・湿度範囲

保証範囲内の環境にてご使用ください。
保証範囲外の環境にてご使用される場合は、必ず、当社営業部までご相談ください。
また、多湿環境でのご使用においては、構成部品の腐食などの発生や製品特性が損なわれるなど、トラブルの原因となりますので、
十分お取り扱いにはご注意ください。

保証範囲 温度 湿度 カタログ記載の各特性数値
使用環境許容範囲 -10~+50℃ 30~90%(結露なきこと) 温度23℃相対湿度65%RH
2.保存温度・湿度範囲

保証範囲外の環境にて保存をされますと、構成部品の腐食などの発生や製品特性が損なわれるなど、トラブルの原因となりますので、
十分お取り扱いにはご注意ください。
また、有毒なガスなどを発生する物質が存在する環境下での保存は、避けてください。
保証範囲外の保存につきましては、ギアグリースや懸念部品の変更を検討致しますので、当社営業部までお問い合わせください。

保証範囲 温度 湿度
保存環境許容範囲 -20~+60℃ 10~95%(結露なきこと)
3.製品取付時のご注意

製品を取付けの際には、ページD-7~10に記載しておりますネジを使用してください。
また、極端に長いネジをご使用するのは避けてください。

4.取付姿勢

当社標準品において、ギアドモータの出力軸を上向き(ギアが上、モータが下に位置する)に取り付けますと、ギアに塗布しているグリースがモータ内部に侵入し、目詰まりなどのトラブルが発生します。
出力軸を上向き、もしくは、ギアヘッドが上・モータが下に位置する姿勢にてご使用の場合は、『防油対策』を行いますので、必ず当社営業部までその旨をお伝えください。
但し、KWギア、TP-3641シリーズ(ブラシレスモータ)は、構造上対策の必要はありません。

取付姿勢
5.スライドベースの手動について

モータを通電しない状態にてスライドベースを手で動かしますと、ギアドモータのギアヘッド内部に負担がかかり破損やその他トラブルとなる恐れがあります。
また、KWギアをご使用の際には、スライドベースは動きませんのでご注意ください。
なお、PHM(アタッチメントタイプ)ギアドモータを使用したリニアアクチュエータにつきましては、ワンタッチでモータの交換が可能(工具不要)な製品ですので、モータをはずすことでスライドベースを手で動かすことができます。
詳細につきましては、ページD-3をご参照ください。

6.モータ入力端子

モータ端子はブラシと直結しておりますので、荷重・衝撃が加わりますと、内部構造に影響を与え、ブラシと整流子の接触不良になる恐れがあります。
また、モータ端子への半田付け作業の際には、コテ先温度が高すぎたり、コテあて作業時間が長くならないようにご注意ください。
一般的には40Wの半田コテをご使用頂き、コテ先の温度は340~400℃、コテあて時間は2秒以内を推奨としております。

7.落下・衝撃

リニアアクチュエータを落下させたり、外部から衝撃を加えますと、部品の破損や歯車の噛み合いズレなどを引き起こし、不具合の原因となりますので、ご注意ください。

8.過負荷運転や拘束(ロック)

モータを過負荷の状態で運転している場合や、拘束(ロック)をさせたまま通電し続けた場合は、モータ性能の劣化やモータ巻線の絶縁皮膜が融けて発煙、焼損(レアショート)のトラブルが発生しますのでご注意ください。
トラブルを未然に防ぐ方法の代表例は、次の通りとなります。

  • (1)復帰性のある電流保護素子(ポジスタ・ポリスイッチ)の使用をお奨めしますが、選定には十分ご注意ください。
  • (2)過電流をタイムラグヒューズなどで検知させて、遮断する。
  • (3)過電流をモータ駆動回路にて検知して、遮断する。など、方法は多々ありますが、必ず対策は行ってください。
参考データ レアショートまでの時間 参考データ レアショートまでの時間 参考データ レアショートまでの時間 参考データ レアショートまでの時間
TP-2732A(24V) 温度
飽和
TP-2732F(24V) 16分 TP-3526G(12V) 温度
飽和
TP-3640C(24V) 2分
TP-2732B(24V) 温度
飽和
TP-2732F(12V) 温度
飽和
TP-3526G(6V) 温度
飽和
TP-3640E(12V) 9分
TP-2732C(24V) 11分 TP-3526A(24V) 6分 TP-3526J(12V) 3分 TP-3644D(6V) 3分
TP-2732C(12V) 温度
飽和
TP-3526B(24V) 2.5分 TP-3632A(24V) 14分 TP-3644H(24V) 温度
飽和
TP-2732D(24V) 温度
飽和
TP-3526C(24V) 30秒 TP-3632C(24V) 2.5分 TP-3644J(12V) 2分
TP-2732E(24V) 温度
飽和
TP-3526C(12V) 11分 TP-3640B(24V) 9.5分 TP-3644L(24V) 30秒
9.過負荷運転や拘束時(ロック)の耐ギア性

当社ギアヘッドのギア許容トルク、瞬時最大負荷(瞬時は100msec以下)は、カタログ内に保証値を設けております。
保証値を超える過負荷での運転や、動作中の拘束(ロック)が発生しますと、ギアの歯欠けによる動作不良やその他トラブルの原因となりますので
ご注意ください。

10.連続運転時のご注意

断続運転用のギアヘッドで連続運転を行いますと、ギア内径と軸柱との摺動面が摩擦により発熱を起こし、焼き付きが発生します。
焼き付きが発生しますと、異音や動作不良などの原因となりますのでご注意ください。

11.瞬時逆転でのご使用

リニアアクチュエータの運転中もしくは電源OFF後に惰性でモータが回転している時、瞬時反転を行いますと、逆起電力が発生し、
多大な電流が流れます。モータの寿命を短くするだけでなく、電源や駆動アンプの壊れる危険性やモータの発煙・焼損など、
トラブルの発生が考えられますので、原則としてモータを停止させてから反転してください。

12.オーバーラン

リニアアクチュエータの動作において、センサーを無視して両サイドの板金には突き当てないでください。
ユニットの破壊やギアドモータの破損に繋がります。

13.PWM制御でのご使用

PWM制御において、モータ単体での回転数が2500rpm以下(目安)でご使用されますと、ブラシ摩耗粉が整流子溝部に堆積し、目詰まりによるトラブルなどが発生しますのでご注意ください。
また、推奨周波数帯域につきましては、モータ駆動回路との相性やモータに内蔵されておりますノイズ素子(バリスタ・電解コンデンサ)などの影響により変化致しますので、実機で最適な周波数帯域をご確認の上ご使用ください。周波数帯域が合いませんと、共振による異音や発熱・モータが回転しないなどのトラブルが発生することもあります。

14.低速運転でのご使用

電圧での制御や電流制限などを行い低速運転させる場合は、当社営業部までお問い合わせください。モータに十分な電流が流れないと、
ブラシ摩耗粉が整流子溝部に堆積して動作しないなどの不具合が発生しますので、ご注意ください。

15.モータノイズ

ブラシモータのノイズは、周辺回路などに影響を及ぼすことがあります。ノイズ電圧は、200V以上あることを前提として、駆動回路などを作成してください。なお、当社にて対応しておりますノイズ対策としましては、下図の内容となります。

  • 電気ノイズ対策 : セラミックコンデンサ・コイルの外付け使用例
    電気ノイズ対策
  • 輻射ノイズ対策
    輻射ノイズ対策
  • モータ内蔵ノイズ素子
    モータ内蔵ノイズ素子
16.寿命

リニアアクチュエータの寿命は、使用条件(負荷・運転Duty・環境など)により大きく異なります。
必ず、実機でのご確認を行ってからご使用ください。

以上となりますが、ご使用の際には、十分に各項目内容をご確認のうえご使用ください。